随意随想

「大阪市の高齢者施策について」

大阪市福祉局高齢者施策部高齢福祉課長 小倉 雄三

わが国では、人口の高齢化が急速に進行し、65歳以上の人口割合(総人口比)は、平成17年には20%を超え、平成22年には約23%になっています。大阪市においては、平成22年国勢調査によると、人口は266万5314人で、65歳以上の高齢者人口は59万8835人で総人口の22・5%(全国は20・1%)となっています。また、健康や介護の問題が増加してくる75歳以上の高齢者人口は27万993人で総人口の10・2%(同8・3%)となっており、急速に高齢化が進んでいることがわかります。

大阪市の場合、平成22年国勢調査によると、65歳以上高齢者のいる世帯に占めるひとり暮らし高齢者世帯の割合が41・1%(全国の割合は24・8%)と全都道府県・政令指定都市の中で最も高くなっています。また、平成23年11月末現在での大阪市における認知症高齢者数(要介護認定において「認知症高齢者の日常生活自立度」がU以上)については、その4年前と比べ1万284人増の5万4736人となっており、増加率(23・1%)は、65歳以上高齢者人口の4年間の伸び(6・8%)をはるかに上回るものとなっております。

このような状況を踏まえ、大阪市では、「健康でいきいきとした豊かな生活の実現」「個々人の意思を尊重した生活の実現」「安全で快適な生活環境の実現」「利用者本位のサービス提供の実現」を基本的な考え方として、「大阪市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(平成24年度〜26年度)」を策定しました。

同計画においては、前計画における事業の評価や大阪市の高齢化の現状、高齢者の実態等を踏まえ、@高齢者の地域包括ケアの推進、A認知症高齢者支援と高齢者の権利擁護施策の推進、B市民による自主的活動への支援と介護予防・健康づくり、C高齢者の多様な住まい方の支援を、今後3年間で重点的に取り組む施策と位置付けています。

前述の、@高齢者の地域包括ケアの推進及びA認知症高齢者支援と高齢者の権利擁護施策の推進に関連することですが、高齢者が、介護が必要になっても、認知症になっても、可能な限り住み慣れた環境の中で暮らし続けることができる地域づくりのためには、支援を必要としている人に気づく、ニーズに応じた適切な機関につなぐ、医療と介護の連携のもとで必要なサービスを届けられる、といった支援体制を身近な地域で構築していく必要があります。そのためには、専門職が協働して地域におけるネットワークを構築し、地域が抱える課題の解決に向けて継続的に支援していく機関として設置された地域包括支援センターの役割が重要となります。地域包括支援センターについては、市民がより身近な地域で相談できるよう段階的に増設を行っていますが、まだ認知度が低い中で、今後は同センターの機能や役割を理解してもらえるよう、媒体を通じた周知広報に努めるとともに、日頃の相談への対応等を通じて多くの方に知ってもらえるよう努めてまいります。

また、B市民による自主的活動への支援と介護予防・健康づくりに関連することですが、高齢化率が上昇していく中、高齢者ができる限り健康を保持し、介護が必要な状態にならないようにするためには、高齢者が生きがいや社会とのかかわりを持ち続けることが重要です。そこで、現在、大阪市では、地域における生きがいづくりや社会参加を促進する施設として、各区に老人福祉センター、小学校区単位に老人憩の家を設置し、高齢者の自主的活動を支援しています。また、各老人クラブにおいては、地域のニーズに応じた様々な活動展開を行うことにより高齢者同士の交流を通じた生きがいと健康づくりを進めておられます。これらの施設及び組織が、情報発信機能を発揮しながら連携を図っていくとともに、大阪市としても、それぞれの活動を引き続き支援し、高齢者の生きがいと健康づくり及び社会参加促進の支援を進めていきます。

さらに、C高齢者の多様な住まい方の支援に関連することですが、高齢者の多様なニーズに応じた居住形態の確保や住み替えを進めるため、支援施策を展開することが必要です。そのため、大阪市では、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、認知症高齢者グループホーム、養護老人ホーム、有料老人ホームといった施設の整備、高齢者世帯向けの住宅や高齢者ケア付住宅の入居者の募集を行うとともに、平成23年には、バリアフリー構造等を有し介護・医療と連携して高齢者を支援するサービスを提供する「サービス付き高齢者向け住宅」の登録制度が創設され、ひとり暮らし高齢者や高齢者夫婦のみの世帯が安心して暮らせる住まいの確保にも努めているところです。

大阪市では今後とも、同計画に基づき、高齢者一人ひとりが住み慣れた地域で自立した生活を安心して営むことができるよう、施策の推進に努めてまいります。

如何でしたか?少しは青春のアンテナの感度が高まったでしょうか?

でも、やはり私たちの命は「心身一如」です。常に不健康で、薬や医者に頼っていては、心に青春を保つことは難しいに違いありません。健康にとって悪いといわれることを避けて、毎日、「腹八分目」と「適度な運動」を実践する――私は、これだけで十分健康に生きられると思っています。

あなたは、「健康にとって悪いといわれることを避ける」ことが難しいのですか?

「腹八分目」と「適度な運動」が難しいのですか?

どちらもできなければ、健康に生きることは難しいですねぇ〜!

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